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下記は、旧NECエレクトロニクス社が所管していた製品または情報に関するページです。
NECとNECエレクトロニクスはこのたび、世界で初めて、磁性体に対して垂直な磁力をもつ垂直磁化を用いた磁壁移動方式(注1)の高速MRAM(Magnetic Random Access Memory)セルを開発し、動作実証に成功しました。本セルは、垂直磁化を用いることで、スピントルク(注2)による磁壁移動書き込み(注3)を低電流で実現できることから、セルの微細化が容易で、次世代のシステムLSIへの組み込みに適したものです。
NECは従来より、MRAMの高速性に着目し、システムLSIに組み込むためのメモリマクロ(注4)用に高速MRAM技術を開発してまいりました。しかしながら、従来の電流磁場書き込み方式(注5)のメモリセルは、プロセス最小線幅55ナノメートル以降の世代になると、書き込み電流の増大によりセルサイズを小さくすることが困難でした。
このたび開発したスピントルク磁壁移動書き込み方式のMRAMでは、垂直磁化方式の採用により、55ナノメートル世代以降の微細セルにおいて書き込み電流の低減が可能となり、NECの高速MRAM技術が大容量化にも応用できる見通しが得られました。
このたび開発した「スピントルクを利用した垂直磁化磁壁移動方式のMRAMセル(垂直磁壁セル)」の主な特長は、以下の通りです。
システムLSIの微細化、大規模化の進展により消費電力は増大してきています。消費電力を低減するためには、電源を切って待機状態にすることが有効で、使いやすい不揮発メモリの実現が望まれています。
この要求に答えるために、NECはシステムLSIに組み込みやすいMRAMの開発を進め、2007年11月には250MHzの高速動作が可能な1メガビットのMRAMマクロを、2009年2月にはこのメモリセル技術を使ってMRAMとしては世界最大の32メガビットのMRAMマクロを開発してまいりました。
これらのMRAMマクロに使用されている2個のトランジスタと1個のMTJ(2T1MTJ)で構成されるメモリセルは、書き込み線がセルごとに分離しているため書き込み時の他のセルへの誤書き込みの問題がありません。
さらに、読み出し電流経路と書き込み電流経路が分離しているために、読み出し時の誤書き込みに代表される誤動作が起こりにくいセルです。これらの誤動作に強いという特長は周辺回路の簡素化と高速化を容易にし、システムLSIに組み込みやすいMRAMを実現することができます。NECでは、この2T1MTJセルに適した3端子の磁性体素子の開発を進めてきております。
今回新たに開発した磁性体素子は、この3端子の磁性体素子を実現するためにNECが開発を進めてきた、スピン偏極電流(注8)により磁壁を移動することによって磁化のスイッチングを行う新しいスピントロニクス(注9)の応用技術です。
このたびの実証実験の成功は、将来、半導体の微細化が進んでも、NECの高速MRAMセルが適用できることを示すもので、システムLSI上のメモリをMRAMに置き換えた際の応用範囲を大きく広げたものです。NECは今後、大容量MRAMをシステムの中に組みこんだ形での動作検証を目指してさらに設計・試作を重ねていきます。
本成果の一部は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の産業技術実用化開発助成を受けて実現したものです。
なお、NECは今回の成果を、6月15日から18日まで、リーガロイヤルホテル京都(京都府・京都市)で開催される学会「2009 Symposium on VLSI Technology (VLSI 2009)」で、6月17日に発表いたしました。
ニュースリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。 その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。