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下記は、旧NECエレクトロニクス社が所管していた製品または情報に関するページです。
NECエレクトロニクスはこのたび、45/40ナノメートル(ナノは10億分の1、以下nm)世代のプロセスで、ハフニウムをゲート絶縁膜に用いることにより、トランジスタ特性の不規則なばらつきを低減する技術を開発いたしました。また試作したSRAMにおいて、従来必要と考えられていた動作アシスト回路が不要となる上、動作電圧や電流などの回路動作マージンを確保できることを実証いたしました。
このたび当社が開発したのは、LSIを構成するトランジスタの特性、なかでもトランジスタがオン状態になる閾値(しきいち)電圧のばらつきを低減する技術です。新技術は、当社が従来の55nmプロセスで開発した、ゲート絶縁膜にハフニウムを用いることによりゲート電極とシリコン基板との間に生じる電位差である、いわゆる仕事関数を制御し、チャネルに含まれる不純物濃度を低減したこと、また45/40nmへ微細化されたトランジスタのセルサイズに応じてチャネル構造の最適化を図ったこと、の2点であります。これらの技術により、チャネル中の不純物濃度の低減および微細化に伴いリーク電流が増加する短チャネル効果の抑制を両立させ、閾値電圧の不規則なばらつきを従来技術と比較して18%低減することに成功いたしました。
新技術は閾値電圧の不規則なばらつきの影響を特に強く受けるSRAMの開発において特に有効で、新技術を採用した場合、従来SRAMの設計マージンを確保する上で必須と考えられていた動作アシスト回路が不要となるため、LSIの最適設計が可能となります。
トランジスタサイズの微細化に伴い、なかでも最先端の45/40nmプロセスを採用したSRAMはチャネル中不純物のランダムばらつきの影響を強く受け、動作電圧の確保が難しくなるという問題が発生しております。チャネル中に不純物を導入するイオン注入工程において、注入されるイオンの量(チャネル中不純物の量)は不規則にばらつくため、そのまま閾値電圧のランダムばらつきという現象を引き起こします。閾値電圧のばらつきはトランジスタのサイズが小さくなるほど、また導入する不純物量が多いほど顕著になるため、45/40nmの微細プロセスを採用したトランジスタでは、この閾値電圧のばらつきによってSRAMの回路動作マージンがほぼゼロになり、設計が困難になるという課題が顕在化しております。そこでSRAMの書き込み、読出時における回路動作マージンを確保するためにLSIの基準電圧とは異なる補助電圧を加える回路を予め組み込む方法が考えられておりますが、この方法では、回路動作マージンを確保することができるものの、SRAM領域の面積が大きくなるという課題があります。
このような状況のもと当社は、従来の55nmプロセスで開発したゲート絶縁膜にハフニウムを適用する技術を踏襲するとともに、45/40nmへ微細化されたトランジスタのチャネル構造の最適化を行いました。これにより、チャネル中の不純物濃度の低減および微細化に伴う短チャネル効果の抑制を図り、閾値電圧のランダムなばらつきを低減しました。本技術を適用することで、45/40nmではSRAMのセル面積を縮小しているにも関わらず、閾値電圧の不規則なばらつきを従来技術と比較して18%低減することに成功いたしました。
新技術は、45/40nmプロセスの採用によるSRAMの回路動作マージンを確保するとともに、高歩留まり(注)かつ低コストでのLSI製造を実現することが可能となります。当社は、今回培った技術により、ユーザーへ高機能かつ低コストなシステムLSIを提供してまいります。
なお、当社は、本成果を6月17日から6月20日まで米国ホノルルで開催される学会「VLSIシンポジウム2008(2008 Symposium on VLSI Technology)」において6月19日に発表いたします。
(注)歩留まり
1枚のウェハーからとれる正常なチップ数を合計のチップ数で割った良品率のこと。